めんどくさいけど愛しいチラシ作りをする友人の話

先日、服飾デザイナーのAちゃんとご飯を食べたのですが、その時のエピソードをお話します。

切り抜き作業といえば・・・

チラシを作る時など「切り抜き作業」と言えば、デザイナーさんだったら「Photoshopで切り抜きする」ということを思うかもしれません。

もしくはフワちゃんのGoogleのCMのように、「消しゴムマジックで消してやるのさ!」と思うかもしれません。

友人Aちゃんは、洗練されたお洋服を作る服飾デザイナーさんなんですね。
たまに会ってご飯を食べて、いろいろな話をするんですけど、いつも展示会の時に作っているチラシがとても素敵なので、どうやって作ってるの?と聞いてみました。

そしたら、本当に商品の写真をハサミでを切り抜いて作ったと言うのです。

えっ!それは大変!

と、思いました。
そして、思わず「やってあげようか?」と言いそうになりました。

でも、言うのをやめました。

愛しい作業はチラシに伝わる

意地悪ではありません。
正直言って、Photoshopだったらものの15分くらいでできちゃいます。
彼女は何時間もかけて一生懸命作業しています。
でも、私は思うのです。

この切り抜き作業で、きっとチラシから伝わるものがあると・・・

その大変な作業を経ることにとても愛しさを感じました

技術やソフトを駆使したら、できてしまうことが簡単にあるとは思うのですが、彼女があくせくとチラシを作っている時こそがものづくりなのだなと思います。

なので、邪魔をしてはいけません。
本当は、こんなことを言ったら「えーん、そんなこと言わずに手伝ってよ〜」と言うかもしれませんが^^

世の中、効率化だけが全てではありません。
私も、その話を聞いて、改めて細やかな制作を大切にしなくてはならないと思いました。

便利なテンプレートが溢れる時代

最近はcanvaなどの便利なアプリが出て、誰でも一見おしゃれな画像を作れるようになりました。
テンプレートそのものを否定するわけではありません。
私も仕事では使うこともあります。

ただ、「つまらない・・・」

どこかで見たことあるし、誰かと被ってますよね。
見る人にはパッと見でわかってしまうんですよね。

せっかくの独自の発信も、見た目の印象がありがちなものだと、実は「もったいないな・・・」とすら感じています。

独自性を壊さない・奪わない

手軽なものがたくさん溢れる時代です。
本当に便利便利便利!だと思います。

私も今までの仕事柄、たくさん素材を使ってきましたし、作ることもあります。

けれど、独自性を生みたいものにはやはりオリジナルでイラストレーションを作成したりなど、めんどくさい一手間をかけることで差別化を図ります。

Aちゃんの作業は、大変めんどくさいことですが、彼女の作り出すお洋服の洗練さにも繋がっているように思います。
彼女のお洋服はとっても素敵なんです。
襟口や袖口の縫製の良さや、シルエットの美しさ、一見ゆるっとしたパンツも履いてみたらわかる足捌きの良さ。
ひじょうに細やかなディテールが、私にはあのチラシの愛しさにつながる気がします。

今後も、そんな「愛しいめんどくさい」を大切にしなくてはならないと思いました。

Aちゃんに過去の展示会のDMのチラシを送ってもらいました。
(チラシというかDM?)

ちなみに、デザインそのものはデザイナーさんが作ってくれているそうですが、ほとんど彼女の頭の中で構成し作業のみをお願いするそうです。

どれも素敵ですよね。
上の方にあるものが切り抜き作業をした痕跡を感じます^^

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